1月28日(火)埼玉県庁を訪問
埼玉県・福祉部社会福祉課の渋谷課長、金子調整幹に時間を頂き、「アスポート事業」の概要についての説明を受けました。
生活保護受給者の自立支援に、なぜ教育支援が入っているかという点について、生活保護受給者の子供の約1/4が、大人になってから生活保護受給者になってしまうという現状から、この「負の連鎖」を断ち切る為には、そうした子供たちが就職すること、そして就職する為に、できる限り高校は卒業することが必要であるという点が挙げられました。 |
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教員OBや現役大学生のボランティアなどの力も借りて、特別養護老人ホームを会場とする「学習教室」を設置。訪問面接や学習指導を行う教育支援員も設置するなどの取り組みの中で、平成24年には、生活保護世帯の中学生の高校進学率が97%に。平成21年度の86.9%から10ポイント増という結果が出ています。
働ける生活保護受給者に対しての就職支援では、県内で人材不足となっている業種に繋がる支援をすることで、就職に結びつきやすく、業界の人材不足も補えるという効果が。
住宅支援として、無料定額宿泊所入所者が一般のアパートや借家に転居する為の交渉支援などでも、宅建協会から全面的な支援が得られ、各機関・団体と協力して成果が上がっているとのことでした。
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この取り組みにおける、大きな前進の鍵は、「アスポート事業」の大きな特徴である、教育・就労・住宅の3点をセットで推進していることで、各担当課間や各市、またNPO法人や宅建協会などの民間と行政の壁も越えることができたことだと感じます。 |
思わぬ副産物や相乗効果が表れているのも印象的でした。
学習教室を特別養護老人ホーム内に設置したことで、高齢者と仲良くなった子供が、高齢者からの応援が糧となって頑張れるようになったり、介護分野で就職できた子供もいたそうです。また、住宅支援の仕方が確立してきたことでホームレス対策も進み、県内のホームレスは減少傾向にあるとのこと。
良い面だけでなく、課題もまだまだあるそうですが、学ぶことが非常に多い視察でした。 |
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